雨にも負けず、風にも負けず 〜イギリス流・笑って走る自転車ライフ〜①

Hello Lovelies!

イギリスの公共交通機関といえば、何を思い浮かべますか?あの真っ赤なダブルデッカー、二階建てのバス。インターネット世界から隔離された地下の迷宮Underground、空飛ぶホウキ…それはホグワーツ魔法魔術学校の専売特許でしたね(笑)

かくいう私は、イギリス生活2年間を自転車と二人三脚(二輪二脚?)で過ごしてきました!といっても、私は地方の島出身。電車が通っていない・バスが時間通りに来ないのが当たり前、18歳になったら即車の免許!が掟のような文化の中で育ち、自転車に最後に乗ったのは小学生?(それも記憶が曖昧なくらいの太古の昔)。まさか自分が「都会のサイクリスト」に転生を遂げるとは夢にも思っていませんでした。

そんなサイクリスト初心者だった私が、どうして自転車生活を最後まで送ったのか、そこには知りもしなかったメリットがあったんです!この記事を読み終えるころには皆さんも「今すぐフリマサイトで自転車探そ!」となっているかもしれませんよ!

きっかけは、近所の知人から天から降ってきた(?)素敵なプレゼント。「いらない自転車があるから譲るよ」という天使の囁き(今思えばなんてラッキーだったんでしょう!)。その時私は日本からイギリスのブライトンという街にに引っ越したばっかりで、土地勘もわからないまま職場からバス通勤1時間という。“冒険の日々”を送っていました。皆さんは通勤時間片道1時間の生活を送ったことはありますか?1日のうち2時間は通勤時間に費やし、しかも途中でバス停での待ち合わせタイム(バスよ、来てください…)。私はその生活で心身ともに疲弊していました。

そんなとき、自転車のほうがバス通勤よりも早いとのことで、自転車を譲り受けました。確かに、自転車をこぐほうが、各駅停車のバスよりも早かったんです。といっても自転車で片道45分はさすがにきつかったので、結局職場から自転車で30分程度の距離の家に引っ越しました。

自転車といえばママチャリしか乗ったことがない私。譲り受けた自転車はマウンテンバイクのよう。戸惑いましたがいざ乗るとスピードが出る!意外とバランス感覚に慣れれば初心者でも乗れることが分かって安心しました。

サイクリストになるための必須アクセサリー3つを紹介します!

①泥棒対策の要、ロック

自転車一つ漕げたからといって簡単にサイクリストを名乗れません。ここはイギリス、公の場に私物を置けば3秒で消失魔法が発動する世界線。自転車なんて泥棒さんたちのごちそうです。その自転車にロックをかけないなんて「どうぞご自由にお持ちください♪」という看板を掲げているようなものです。なので、絶対に用意しましょう。ロックありきの自転車です。

おすすめは写真のようなU字ロックと長いワイヤー。なぜだかわかりますか?泥棒は、自転車がどんなロックで停められているのかしっかり見ています。細いワイヤーのや簡易的なロックだと簡単に壊されて盗まれてしまいます。はい。私も自転車を盗まれた1人です。そしてこのワイヤーで、前輪と後輪を通してしっかりとガードします。なぜなら、タイヤだけを盗まれた自転車を100億回見てきたからです!!!

②夜道の味方、前後のライト

事故を避けるために、前後にライトを装着しましょう!イギリスの道路は、まるでオープンワールドゲームのような世界。様々な国の人々が暮らしているので交通ルールがまるで機能していません。人々が思い思いのルールで道を渡り、車もバスもぎゅうぎゅう詰め、自転車はその間をスラロームのように縫って走ります(まさにリアルマリオカート!)。そんな時にライトがあれば、「ここに自転車がいますよ〜!」とアピールできて安心です。

そしてご存知イギリスの天気。昼なのに「今何時?」という暗さは日常茶飯事。曇り空がデフォルト設定になっているので、夜だけでなく昼もライト点灯が必要だったりします。

③方向音痴の救世主、スマホホルダー

一度通った道を丸暗記できるIQ130の超人なら話は別ですが(そんな方、私の人生ナビゲーターになってください!)、私のような方向音痴のかたはスマホホルダーをつけることをお勧めします。自転車をこぎながら携帯で地図をチェックするのは非常に危険ですし、いちいち止まって確認を繰り返すと後ろのサイクリストに「Do youn wanna f**king move or what mate!?」と言われてしまいます。

特にロンドンは「今週のサプライズ!」のように色々な道が週替わりで交通規制(ストライキやプロテスト、イベントや道路工事など)。予期せぬ回り道を余儀なくされた時も、スマホホルダーがあれば「よし、こっちのルートで行こう!」とスムーズに作戦変更できます。

①節約の達人に!

自転車とアクセサリーの初期費用が必要ですが(これは自転車界の入会金だと思いましょう)、日常生活や通勤で公共交通機関を使うことが圧倒的に減るので、その後の節約効果は絶大です!

公共交通機関を利用した場合(ロンドンとブライトンのざっくりとした例。)

バス:一回の乗車で£1.75~2.5 

電車:乗るゾーンにもよるが、ゾーン1内の移動で£1.95~3.5

往復だと1日£5ほど消費することになります。通勤が必要な職場であれば、1か月のうち15日×£5=£75は最低でもかかってしまうところ(£75あったら週末ヨーロッパ旅行行けます)、自転車通勤に変えればこの固定費を0にすることができます!

②移動時間の短縮になる

「えっ、自転車の方が早いの?」と思われるかもしれません。実は、イギリスの街中では、バスや電車よりも自転車の方が圧倒的に速いんです!信じられない?では、実例で証明してみましょう。

王室ファンなら誰もが知る、イギリス国王の住居地である「バッキンガム宮殿」から、インスタ映えスポットとして人気急上昇中の、ストリートアートの聖地である「ブリックレーン」までの行き方をグーグルマップで調べてみます。

📍バッキンガム宮殿 (Buckingham Palace)

https://maps.app.goo.gl/rh5bTdfRpN6nNcoa6

📍ブリックレーン (Brick Lane)

https://maps.app.goo.gl/FXkAazE679uuYHR36

結果はこうです:

まず、自転車で25分と出てきました。

次に、他の公共交通機関ではどのくらいか見てみましょう。

電車で37分と出てきました。他にもオプションがあるか見てみましょう。

青い四角で囲ったものが電車で、赤い四角で囲ったものはバスの移動です。電車では約37~45分かかり、バスでは1時間かかることが分かりました。

・自転車:たったの25分🚲

・電車:37~45分🚋(乗り換えがあるとちょっとヘトヘト)

・バス:なんと1時間!🚌(渋滞と停留所で時間がどんどん…)

正直に告白すると、私は自転車界の”のろま代表”を務めているので、グーグルマップの想定時間より5分ほど余分にかかってしまいます。でも!そんなスローペースの私でも、5キロ圏内なら約30分で到着。一方、バスや電車だと45~50分もかかるんです。

つまり、自転車通勤は「時間の錬金術」。渋滞知らず、時刻表とにらめっこ知らず、乗り換えのイライラ知らず。さらに、ロンドンの街を風のように駆け抜けられる爽快感つき!

③運動になる

「お金を節約しながら、お腹周りもスッキリ!」なんて、まるで怪しい健康食品の広告みたいですが、自転車通勤は本当にそんな素晴らしい一石二鳥の効果があるんです。じっとデスクに座っているだけの毎日に、さりげなく運動を忍び込ませる秘策、それが自転車なんです。

④見たことのない景色に巡り合える

自転車で走っていると、まるで街の隠し味を探検しているような気分になります。GPSでは教えてくれない素敵な抜け道、「こんなところにこんなお店が!」という新発見、そして何より、気ままに立ち止まって写真が撮れる贅沢。

通勤途中で出会う朝焼けや夕日は毎日違う顔を見せてくれますし、ふと路地に入ると満開の桜のトンネルが!なんていうサプライズも。地元のお祭りに向かう人々のカラフルな着こなしを横目に「今日は何かあるのかな?」なんて、車では味わえない街の息遣いを感じられるんです。そう、自転車は単なる移動手段じゃない。毎日の生活にちょっとしたワクワクを運んでくれる、魔法の絨毯なんです。

今回は、私がイギリスで”自転車乗り”になってしまった経緯と、サイクリストの必需品、そして自転車生活の魅力についてお話ししました。次回は、思わず「トホホ…」となった失敗談や、イギリスならではの自転車事情について、もっと具体的にお届けする予定です。「へぇ~、そうなんだ!」と思っていただけるような話が満載ですので、どうぞお楽しみに!

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